〔問題〕エンジン不調が発生したのでダイアグノーシス・コードを確認したところ、異常コードが表示されませんでした。そこで外部診断器を用いて正常車と不具合車の暖機後のアイドリング状態での点検を行い、下表の測定結果を得ました。故障推定原因として、適切なものは次のうちどれでしょうか?なお、車両はDジェトロニック方式エンジン搭載車です。
測定結果(エンジンECUデータ)
|
正常車 |
不具合車 |
水温(℃) |
90 |
90 |
ISCVデューティ比(%) |
39.4 |
39.4 |
エンジン回転速度(min-1) |
750 |
750 |
O2センサ |
0.3Vと0.7V間を変化する |
約1V一定 |
バキューム・センサ(kPa) |
37 |
37 |
噴射時間(ms) |
2.6 |
2.2 |
(1) 水温センサの特性ずれ
(2) 吸気系統のエア吸い
(3) バキューム・センサ系統のホースの穴あき
(4) 燃圧不良
以下解説、解答になります。
〔解説〕
O2センサの値が1V一定ということは、空燃比が濃い状態であることを示しています。
(1) 水温センサの特性ずれ
不具合車両の水温センサのデータは90℃と正常車と同じでン あるため、特性ずれは考えられません。
(2) 吸気系統のエア吸い
吸気系統にエア吸いがあると、空燃比が薄くなります。
(3) バキューム・センサ系統のホースの穴あき
不具合車両のバキューム・センサのデータは37kPaと正常ン 車と同じであるため、穴あきは考えられません。
O2センサの値から不具合車は空燃比が濃いことがわかります。その結果から、エンジンECUは空燃比を薄くするよう噴射時間を少なくしています。しかし、それでも空燃比の状況が変わらないということは、燃圧が高いため、同じ噴射時間でも多くの燃料が供給されてしまい、エンジン不調になっていると考えられます。
〔解答〕(4) 燃圧不良
〔問題〕スロットル・ポジション・センサが図に示す状態にある場合、エンジンECUには何Vの信号電圧が入力されるでしょうか?ただし、配線等の抵抗はないものとし、コネクタAとコネクタBはそれぞれ接続状態とします。
以下、解説と解答になります。
〔解説〕今回の回路での電気の流れは
5V安定化電源→3.80kΩの抵抗→6.20kΩの抵抗→アース
となります。ここからオームの法則を用いてそれぞれの抵抗にかかる電圧を求めます。
電流=電圧/抵抗
電圧=電流×抵抗
回路全体に流れる電流=5V/3.80kΩ+6.20kΩ=0.5A
3.80kΩの抵抗にかかる電圧=3.80kΩ×0.5A=1.9V
6.20kΩの抵抗にかかる電圧=6.20kΩ×0.5A=3.1V
ECUへは6.20kΩにかかる電圧3.1Vが入力されます。
〔解答〕3.1V
今回は少し難しかったかもしれませんね...
〔問題〕騒音計のマイクから等距離にある2つの同じ警音器を同時に作動させた場合、音圧はどう変わるでしょうか?
1. 変わらない
2. 小さくなる
3. 大きくなる
以下解説、解答になります。
〔解説〕同じ音圧を同時に鳴らした場合、音圧は大きくなります。しかし、例えば音圧レベル100dBの音源を2つ同時に鳴らしても、単純に2倍の200dBとはなりません。
同じ音圧レベルの音源の数とdB増加量は以下の関係があります。
同じ音圧レベルの音源の数 2倍・・・3dB増加
同じ音圧レベルの音源の数 4倍・・・6dB増加
同じ音圧レベルの音源の数 10倍・・・10dB増加
よって今回は元の音源の音圧より3dB大きな音圧となります。
〔解答〕3.大きくなる(+3dB)
4月27日のブログで5月11日始業としていましたが、
5/11(月)→5/25(月)へ変更いたします。
今後、状況に合わせて更なる変更となる可能性は充分考えられますので、ホームページ等で適宜ご確認ください。
学生の皆さんは、引き続き不要不急の外出を控え、
感染防止の対策をお願いします。
〔問題〕直径63cmのタイヤを4輪に装着した車両で高速道路を走行中、90㎞/hでステアリングホイールの回転方向にほぼ一定レベルの振動が発生しました。タイヤのアンバランスが原因だとすると、1秒間に何回の振動が発生するでしょうか?
以下解説、解答になります。
〔解説〕時速90km/h時に1秒間でタイヤが何回転するか考えます。
1. まず時速を秒速に直します。
90km/h×1000m÷3600秒=25m/s
2. 次にタイヤ1回転で進む距離を計算します。
0.63m×3.14=1.9782m
3. 1秒間で25m進んでいるときにタイヤが何回転したか計算します。
25m/s÷1.9872m=12.58051.…回転
よってタイヤが原因の振動は、1秒間で約12.6回発生します。
〔解答〕
約12.6回